至高の冷酷総長は、危険なほどに彼女を溺愛する -CLASSIC DARK-
「っ、え……」
「だけど、あそこの正面の門は最初から開かねえみてえだ。どうやらあれはただのお飾りで、本当の門は別にあると踏んでいる」
「し、知りません……。わたしなんかが、そんなの知るはずもないです……」
どうしよう。
静日くんが龍泉閣に帰るようになったのは、わたしがいるせいだ。
「本当に知らねえか? 一部で、皇城学園のAクラスの生徒が龍泉閣の中にいる、ともウワサがあるんだぜ」
――息が、できなくなりそう。
冷静を保たなきゃ……。
心当たりがあると思われたら終わり。
ましてや、そのAクラスの女だってばれたら……。
焦りながら泣きそうになる。
わたしが龍泉閣にいたら、こういうふうに迷惑をかけることになるんだ。
居場所なんてない。
一刻も早く関係を終わらせなきゃ……。
「おねーさんも、皇城学園の生徒っしょ? あんたを人質にすりゃあ、京サマも中に入れてくれると思うんだけど」
もうひとりも、じり…と距離を詰めてくる。
「や……」
一歩退いた時だった。