至高の冷酷総長は、危険なほどに彼女を溺愛する -CLASSIC DARK-
傷だらけの悪魔








「すばる、おかえり」



今日は遅くなるから先に寝てな、と。

そう言ったはずの彼が部屋にいた。



静日くんが帰ってくるまでは時間があるから、ゆっくり荷物をまとめようと思っていたわたしは、その場に固まってしまう。


荷物をまとめるだけじゃない。


静日くんに対する別れの言葉も、そうなった経緯の説明も全部、

夜に全部じっくりと考えようと思ってたのに。



「今日どうしたの? 静日くん、夜遅くなるって言ってなかったっけ……」


「言った言った。けど、早くすばるに会いたくて帰ってきちゃった」


「……っ」



なんで。

離れようとしてるときに限ってそんなこと言うの?



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