至高の冷酷総長は、危険なほどに彼女を溺愛する -CLASSIC DARK-

/SIDE









「いってぇ!」

「ご、ごめんなさい……っ」



龍泉閣、地下1階の入り口付近で、角を曲がってきた宮名すばると勢いよくぶつかった。


顔を上げれば、可哀想なくらい真っ赤な目をして泣いていて。


一瞬、今の衝撃で怪我でもしたのかと思ったが、どうやら違うらしい。



「おい、どーしたんだよ。静日と喧嘩でもしたか?」

「ふ……っ、うぅ……」


とたんにぼたぼた大粒の涙を流し始める。


図星みたいだ。

そうか、静日が泣かせたのか。

面倒くせえな……。



「なんがあったのかわかんねーけど、もっかいちゃんと話し合えよ……って、おいっ!?」



おれの言葉も聞かないうちに走り去っていった宮名すばるを、ぽかんと見つめる。



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