至高の冷酷総長は、危険なほどに彼女を溺愛する -CLASSIC DARK-

ブーケの側に、小さな紙袋が置かれていた。


勝手に見てはいけないと思いつつ、駆られるように中を覗き込めば。

ネックレスが入っているだろうサイズの箱と。

『Happy Birthday』の文字が並んだ白いカードが入っていた。



……誕生日。

宮名すばるの?


静日がわざわざ用意したのか。


けど、なんでこんなところに。

渡せなかったのか……?




頭の整理がつかなかった。


おれはどうすべきだろう。


龍泉閣の幹部として。

……京静日の、友人として。


龍泉閣のために放っておくのか。

友だちの幸せを願うのか。


ふたつを天秤にかける。


しばらくそれを見つめたあと──────おれは部屋をあとにした。


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