至高の冷酷総長は、危険なほどに彼女を溺愛する -CLASSIC DARK-

「その子は絵がとても上手で、静日くんは彼の絵を見るためだけに美術スクールへ遊びにきていたんだ。うちの生徒ではないのに、あまりにも熱心にその子の絵を見たがるから僕も追い返せなくてね」


はは、と優しい声が響く。


幼い頃の静日くんに、そんな友だちがいたんだ……。



「ただ、その子は生まれつき体が弱くて入退院を繰り返していたんだよ」

「え……」


「一方で静日くんは、外へ出てはいけないという家の言いつけを破って、スクールに遊びに来ていて……。それがある日、両親に見つかってしまった」



はっとした。
飛鳥井くんから聞いた話にも、話があった。

家から出てはいけない決まり……。

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