至高の冷酷総長は、危険なほどに彼女を溺愛する -CLASSIC DARK-
自分勝手に龍泉閣を出ていった手前、都合よく戻るなんてできっこない。
あっちだって、わたしのことはもう部外者だと思っていだろうし。
むしろ邪魔者がいなくなって今頃せいせいしているんだろうな……。
だとしたら、頼れるのは朱雀院様くらいしかいない。
今日はもう放課後だし、また日を改めて……。
ぼんやりと考えながらSSクラスの空き教室をあとにしようとした時だった。
「宮名すばるさん、ちょっといいかな」
扉のところにいつの間にか人が立っていて、心臓がびっくりして、ぎゅっと縮んだ。
黒のネクタイ……SSクラスの女の人が、ひとり。
かと思いきや、もうひとり、その後ろから姿を現した。
当然、SSクラスに女の子の知り合いなんているわけもなく。
「えっと……」
戸惑っていると、ふたりは慌てたように笑顔を見せた。
「ごめん、びっくりさせちゃったよね! 実は私たち、ずっと宮名さんと友達になりたくて、話しかけるタイミング狙ってたの」
「わたしと、友達……ですか?」
「そう! 凌駕くんに見初められるなんて本当にすごいなあって、憧れてたんだよね」
凌駕くん。
飛鳥井くんの、下の名前……。
「そ、そんな、恐縮です」