至高の冷酷総長は、危険なほどに彼女を溺愛する -CLASSIC DARK-
……え?
頭が追い付かないまま、体を乱暴に掴まれて。
「はいはい、おとなしくしとけよ」
奥のソファに、どんっ、と突き飛ばされる。
あっという間に4人に囲まれて、見下ろされて。
「じゃあ、あとはよろしくね~」
去っていく女の子たちの声を聞いて。
……血の気が引いた。
「さてと。誰から相手してもらう?」
目の前で、黒のネクタイが緩められた。
SSクラスの生徒、だ。
ようやく悟る。
わたし、嵌められたんだ。
「宮名チャンだいじょうぶだよ。さっきの子たちはあんなこと言ってたけど、オレたち痛いことなんてなんにもしなから」
「そーそ。気持ちいいことするだけだから、ね」
無遠慮に手首を押さえつけられて、ぞわっとした。
やだ……っ。
静日くんとは、手と手がちょっとぶつかるだけで、どきどきしてしまうのに、この人たちに触れられるのはすごく気持ち悪い。
「離して、くださいっ」
必死に振りほどこうとすれば、すかさず舌打ちが降ってくる。
「なあ、オレたちSSクラスなんだけど。庶民が歯向かったらどうなるかわかってんの?」
「……っ!」
この学園内で階級を理由に脅されたら、Aクラスのわたしは、もう黙るしか道がなくなってしまう。