至高の冷酷総長は、危険なほどに彼女を溺愛する -CLASSIC DARK-
同じクラスの人ですら顔を知らないなんて、そんなことあるかなあ?

京様っていう名前だけひとり歩きしてて、実は存在しないんじゃ……。


「実在するよお! 極秘ルートで入手したSSクラスの名簿に、ちゃんと “ 京 静日 ” って名前が載ってたもん!」


──カナドメ、シズカ。

入学してもう何度耳にしたかわからない名前の主は、高校2年になった今でも学校に姿を見せることはなく。



「いるかもわからない人を出待ちなんて、無謀なこともうやめたほうがいいんじゃ……」

「だから〜ちゃんといるってば! 第二木曜の今日は、京様が龍泉閣に必ず顔を出す日って決まってるのー」


「顔を出すって、それも噂に過ぎないんでしょ?」

「何もしないより可能性はあるじゃん、一緒に行こ、ねっ、お願い! 」



わたしたちみたいな一般生徒が出待ちすれば、SSクラスの女の子たちに睨まれたり嫌味を言われたりするから、

正直あんまり気乗りしないんだけど。


……うるうるな瞳に見つめられて、完敗。

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