至高の冷酷総長は、危険なほどに彼女を溺愛する -CLASSIC DARK-

体がぶるっと震えた。


……その直後。



――ドガンッ!
突然、爆発音にも似た激しい音が響いて、心臓が縮こまった。


な、なに……っ!?


目を丸くして音がしたほうを見れば、男子生徒たちの隙間から、扉が部屋の内側に倒れているのが見えて。


え?

扉が、“倒れて”いる……?




「あれ、これ押戸じゃなかったんだー」


聞き覚えのある声にはっとする。

同時に、わたしを囲んでいた4人がざっ…っと壁側に避けて視界が開けた。


……え?


ぱちくり。


立っていたのは……静日くん。


どう、して。
ここ学校なのに……。



静日くんのことを考えすぎて、ついには幻覚を見るようになっちゃったのかな。


何度瞬きをしても、すぐ近くに静日くんがいた。


鈴木要くんの姿じゃ……ない。

制服に黒のネクタイを締めている。


SSクラス、2年、桔梗組の、京静日くんが、そこにはいた。
< 300 / 309 >

この作品をシェア

pagetop