至高の冷酷総長は、危険なほどに彼女を溺愛する -CLASSIC DARK-
口に入れた瞬間、さくっとした食感にじゅわっと広がる柔らかなお肉の旨み。
さすがお金持ちの学校は食堂のレベルも違う。
「あはは、すばるちゃん幸せそ〜。まさに色気より食い気って感じよね」
笑われてちょっとだけ顔が熱くなる。
「っえと、色気についてはちゃんと勉強しようと最近ほんとに思ってて」
「ぶっ! すばるちゃんてヘンなところまじめでほんとうける」
「んええ……わりと本気の意志なんだけど」
そう、死活問題レベルのとある事情により、わたしは色気を磨かなくちゃいけない、のである。
──それが、わたしのこの学園に通う理由だから。
「ていうか、すばるちゃんに色気がないって意味で言ったんじゃないよ? 単純に、恋愛とかにあんまり興味なさそうだなあって」
「いや、すごいある、よお」
「まじ? 好きな人いるの?」
「い、今はいないけど……いつかは、運命的に惹かれ合うような人と出会えるんじゃないかなあ、と」
「保育園児の妄想か?」
「ひ、女子高生のリアルな夢だよ……っ?」