至高の冷酷総長は、危険なほどに彼女を溺愛する -CLASSIC DARK-

口に入れた瞬間、さくっとした食感にじゅわっと広がる柔らかなお肉の旨み。

さすがお金持ちの学校は食堂のレベルも違う。



「あはは、すばるちゃん幸せそ〜。まさに色気より食い気って感じよね」


笑われてちょっとだけ顔が熱くなる。



「っえと、色気についてはちゃんと勉強しようと最近ほんとに思ってて」

「ぶっ! すばるちゃんてヘンなところまじめでほんとうける」

「んええ……わりと本気の意志なんだけど」



そう、死活問題レベルのとある事情により、わたしは色気を磨かなくちゃいけない、のである。

──それが、わたしのこの学園に通う理由だから。



「ていうか、すばるちゃんに色気がないって意味で言ったんじゃないよ? 単純に、恋愛とかにあんまり興味なさそうだなあって」

「いや、すごいある、よお」


「まじ? 好きな人いるの?」

「い、今はいないけど……いつかは、運命的に惹かれ合うような人と出会えるんじゃないかなあ、と」


「保育園児の妄想か?」

「ひ、女子高生のリアルな夢だよ……っ?」
< 5 / 309 >

この作品をシェア

pagetop