至高の冷酷総長は、危険なほどに彼女を溺愛する -CLASSIC DARK-
無気力、無慈悲、無表情……。
たしかに脱力感のある喋り方だった。
無慈悲かどうかは、あの短時間では判断できるわけもなくて。
ただ、明らかに違うと胸を張って言えるのは、京様は、無表情ではない。断じて!
「京様が選ばれたのは実力だとあたしは思うけど、一部では京様の親が裏で手を回してたって噂もあるよー」
「えへ、そうなんだ」
「ちなみに、皇帝に就いた当時15歳の京様のコメント。“皇帝とかバカバカしい。てかダサ(笑)”」
「かっこ笑い……」
「そう、かっこ笑い。今でも滅多に龍泉閣に顔出さないみたいだし、皇帝の座にあんまり興味ないのかもね〜」
あの京様なら言いそう……!
バカバカしいってセリフも、乾いた笑い声も、なんだか想像がついてしまう。
「あとのことはぜーんぶ謎。生年月日も血液型も身長体重、趣味特技、家族構成も、定かな情報は一切なし」
「すごい秘密主義なんだねえ」