至高の冷酷総長は、危険なほどに彼女を溺愛する -CLASSIC DARK-
◆
◆
午後19時40分。
通学路で真凛ちゃんと別れたあと、こっそり進行方向を変えて、この時間まで繁華街で時間を潰した。
そして現在、いつも出待ちで来ている場所とはいえ、荘厳な建物の門前にひとり。
心臓が喉から飛び出てきそうだった。
──『今夜ひとりで、龍泉閣にこれを持って来な』
京様にそう言われた。
記憶はしっかりあるはずなのに、どんどん自信がなくなってくる。
幻聴だったんじゃ……?
だって、冷静に考えて、龍泉閣に庶民を呼ぶなんてありえなくない?
それでも、“京静日”の学生証がわたしの手元にあるのは紛れもない事実……。
まあ、新手の嫌がらせだと思えば、ずいぶん納得のいくハナシ。
後退しかけた足を戒めて、龍泉閣を見上げる。
よし、行くぞ!
ところで、どうやって入るんだろう……。
意思を固めたのはいいものの、さっそく壁にぶつかってしまう。
見た感じ、ピンポンもないし……。
門をくぐらないと扉を叩くこともできないのに、がっちり閉じられている。
呆然と立ち尽くすこと5分ほど。
「──宮名様ですか?」
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午後19時40分。
通学路で真凛ちゃんと別れたあと、こっそり進行方向を変えて、この時間まで繁華街で時間を潰した。
そして現在、いつも出待ちで来ている場所とはいえ、荘厳な建物の門前にひとり。
心臓が喉から飛び出てきそうだった。
──『今夜ひとりで、龍泉閣にこれを持って来な』
京様にそう言われた。
記憶はしっかりあるはずなのに、どんどん自信がなくなってくる。
幻聴だったんじゃ……?
だって、冷静に考えて、龍泉閣に庶民を呼ぶなんてありえなくない?
それでも、“京静日”の学生証がわたしの手元にあるのは紛れもない事実……。
まあ、新手の嫌がらせだと思えば、ずいぶん納得のいくハナシ。
後退しかけた足を戒めて、龍泉閣を見上げる。
よし、行くぞ!
ところで、どうやって入るんだろう……。
意思を固めたのはいいものの、さっそく壁にぶつかってしまう。
見た感じ、ピンポンもないし……。
門をくぐらないと扉を叩くこともできないのに、がっちり閉じられている。
呆然と立ち尽くすこと5分ほど。
「──宮名様ですか?」