至高の冷酷総長は、危険なほどに彼女を溺愛する -CLASSIC DARK-
「アンドウ? 誰だっけ」
「お前が宮名すばるの出迎えを任せた門番だよ」
「ああ……あいつ」
入っていい、とは静日は言わない。
「用件はなんだ。そこで言え」
「はい。宮名様より、静日様の学生証をお預かりいたしまして、お渡しすべく参りました」
「預かった?」
「はい」
「で。すばるは」
「……と、言いますと?」
「俺は、すばるが来たら必ず中へ通せ、と言ったはずだ」
相手は一瞬、言葉をつまらせた。
「私は、中に入るよう促したのですが、宮名様が、学生証を渡してくれればそれでいいと、おっしゃったので……」
「“必ず” 中へ通せ。意味、わかんなかった?」
……ああ、終わったなこいつ。
扉の向こうの相手へ同情を投げる。
「申し訳ございません! しかし、宮名様がどうしても静日様にお会いしたくないとおっしゃって……」