至高の冷酷総長は、危険なほどに彼女を溺愛する -CLASSIC DARK-

「俺が頼んだのは、すばるをこの部屋に連れてくることで、学生証を預かることじゃない」

「………しかし」

「もういーよ。お疲れ」



この場合、静日の「もういーよ。お疲れ」は、今日はもう下がれ、という意味ではない。


“今まで”お疲れ。

つまりは龍泉閣からの除名を意味する。



「はーあ、新しい門番探すの面倒」

「っ、静日様、待ってください! 私は本当に何度も中へ促したのです! それなのに宮名様がっ」

「だから、もういいってソレ」



静日に目配せされて、仕方なくおれは廊下へ出る。



「京の学生証。それから構成員のバッジを置いてから去れよ」


悲壮感に満ちた男に最後の言葉を投げかけて、がっくりうなだれる背中を見送った。

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