きみの優しさを受けとりたい。



先輩としばらく話してから



「簓さん、今日はわざわざありがとね。本の会話で盛り上がれてたのしかった!簓さんも本好きなんだね」



本当に楽しそうな顔で笑うから私もつられて顔がにこやかになる。
  



「はい、小さい頃からずっと好きなんですよね。私もとっても楽しかったです。」



「あの…さ、簓さんがもしよかったらなんだけど、また旧図書室おいでよ」



いきなりのお誘いでびっくりするけれど、私の返事はもう決まっている。



「いいんですか?私、毎日のようにかよっちゃいますよ?」



少し冗談めかしていうと



「ふふっいいよ簓さんなら。僕も放課後毎日そこで本読んでるから、一緒に読も」



「ありがとうございます。」


と返事はしたけれど後半の言葉は頭の入ってこなかった。



だって『簓さんならいいよ』って言われたから。その言葉が頭から離れない。

 
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