しあわせの花束を赤く
皆さんは『機械人間』というのをご存知ですか?
虹色の蝶のような不思議な羽をつけた人間の形をしたロボット。
この世界には何万と数が増え続けています。
ん?機械人間は人間なのかって?
そうですね、半分人間って感じです。
まず、機械人間は人間の中に機械を入れて動かしているのですから。
不思議ですよね。ですから皆さん、このような“殺し屋”にならないでくださいね。
え?殺し屋?私、そんなこと言いました?
きっと気の所為ですよ。
…では!今からその機械人間になった女の子のお話をしますよ。
とある無機質な空間の中、銃弾の音が鈍く響き渡る。
ダンダンと続くその嫌な音に周りにいる者は酷く怯えている。
「アッハッハッハッハ!!」
その空間のど真ん中、音を鳴らしている張本人が愉快に笑っていた。
第一夜 仕事
「ひぃっ!?」
何もないこの路地裏で、男の悲鳴がよく響く。
「こんにちはぁ〜!私はひな!」
元気よく挨拶をするその女の姿には何も感じられず、ただ無なまま。
その笑顔に恐怖すら感じられる。
「今日ね!」
どこか幼い子供のような面影があるその声に男は少しほっとし、今までの恐怖は何だったんだと思うばかりに女の話に耳を傾ける。
「あなたを殺しに来ました」
心底冷たい言葉を放つ女。その違和感に気づいてなお恐怖で体がすくみ、動かない男は懸命に口を動かし
「お前はもしかして…機械人間か!?」
そう放つも言葉は誰にも届かずに宙に舞った。
「ごめんね、おじさんの話は聞く意味ないから」
その瞬間、男の首がもぎ取られなんとも無惨な姿になった。
「う、あ…」
その姿でも言葉を発していることに対し、女は睨みをきかせ
「まだ生きてんの?きっしょ」
と、とびっきりの笑顔で放った。
その声は男にしか聞こえなかった。
「ふぅー!任務完了!!」
終わったー、と満足げな表情で路地裏を抜ける機械人間のひなは誰に何を隠そうと殺し屋である。
もう何人殺したのかも覚えていない。
でもそれが仕事だから。
全てそれで生きてきていた。
どこで生まれたのかも知らない。
ましてや自分が人間なのかも知らない。
どうしてこの仕事をしているのかも…
そんな妄想をしている中、ひなは背後から何かを感じた。
とても温かい、けれどどこか寂しいような…
自分でも感じた事のあるものは振り返らずにはいられなかった。
「なーんだ…」
驚いたのも束の間、背後にいたのは自分が一番信頼している人物だった。
「あら、ひなじゃない?もう任務は終わったの?」
そう淡々と告げる緑色の彼女。
「そうだよ!!ゆめ!!早いでしょう!」
緑色の彼女、ゆめは笑顔でひなに返事をした。
ゆめはひなよりも先に殺し屋をしていた先輩で、妹を守るために機械人間になったと教えてくれた。
その事を話しているときのゆめの顔からは寂しさを感じられ、聞いているこっちが悲しくなったこともあったっけ。
と過去を思い出しているひなにゆめは軽くおでこにデコピンを仕掛けた。
「いでっ!」
ピンっと弾かれたおでこはじんじんと痛みひなは加減を知らないのかと改めて思った。
「ぼーっとしてないで、追加任務に行きましょう」
「はぁい」
面倒くさそうにひなはため息をつき、光とともに二人は消えていった。
虹色の蝶のような不思議な羽をつけた人間の形をしたロボット。
この世界には何万と数が増え続けています。
ん?機械人間は人間なのかって?
そうですね、半分人間って感じです。
まず、機械人間は人間の中に機械を入れて動かしているのですから。
不思議ですよね。ですから皆さん、このような“殺し屋”にならないでくださいね。
え?殺し屋?私、そんなこと言いました?
きっと気の所為ですよ。
…では!今からその機械人間になった女の子のお話をしますよ。
とある無機質な空間の中、銃弾の音が鈍く響き渡る。
ダンダンと続くその嫌な音に周りにいる者は酷く怯えている。
「アッハッハッハッハ!!」
その空間のど真ん中、音を鳴らしている張本人が愉快に笑っていた。
第一夜 仕事
「ひぃっ!?」
何もないこの路地裏で、男の悲鳴がよく響く。
「こんにちはぁ〜!私はひな!」
元気よく挨拶をするその女の姿には何も感じられず、ただ無なまま。
その笑顔に恐怖すら感じられる。
「今日ね!」
どこか幼い子供のような面影があるその声に男は少しほっとし、今までの恐怖は何だったんだと思うばかりに女の話に耳を傾ける。
「あなたを殺しに来ました」
心底冷たい言葉を放つ女。その違和感に気づいてなお恐怖で体がすくみ、動かない男は懸命に口を動かし
「お前はもしかして…機械人間か!?」
そう放つも言葉は誰にも届かずに宙に舞った。
「ごめんね、おじさんの話は聞く意味ないから」
その瞬間、男の首がもぎ取られなんとも無惨な姿になった。
「う、あ…」
その姿でも言葉を発していることに対し、女は睨みをきかせ
「まだ生きてんの?きっしょ」
と、とびっきりの笑顔で放った。
その声は男にしか聞こえなかった。
「ふぅー!任務完了!!」
終わったー、と満足げな表情で路地裏を抜ける機械人間のひなは誰に何を隠そうと殺し屋である。
もう何人殺したのかも覚えていない。
でもそれが仕事だから。
全てそれで生きてきていた。
どこで生まれたのかも知らない。
ましてや自分が人間なのかも知らない。
どうしてこの仕事をしているのかも…
そんな妄想をしている中、ひなは背後から何かを感じた。
とても温かい、けれどどこか寂しいような…
自分でも感じた事のあるものは振り返らずにはいられなかった。
「なーんだ…」
驚いたのも束の間、背後にいたのは自分が一番信頼している人物だった。
「あら、ひなじゃない?もう任務は終わったの?」
そう淡々と告げる緑色の彼女。
「そうだよ!!ゆめ!!早いでしょう!」
緑色の彼女、ゆめは笑顔でひなに返事をした。
ゆめはひなよりも先に殺し屋をしていた先輩で、妹を守るために機械人間になったと教えてくれた。
その事を話しているときのゆめの顔からは寂しさを感じられ、聞いているこっちが悲しくなったこともあったっけ。
と過去を思い出しているひなにゆめは軽くおでこにデコピンを仕掛けた。
「いでっ!」
ピンっと弾かれたおでこはじんじんと痛みひなは加減を知らないのかと改めて思った。
「ぼーっとしてないで、追加任務に行きましょう」
「はぁい」
面倒くさそうにひなはため息をつき、光とともに二人は消えていった。