人助けをしたら人気俳優との同居が始まりました
7
叶恵と太郎のやりとりを笑いながら見守っていた國吉と絹江は、叶恵の部屋のドアが閉まった音がすると、ふと真顔になった。
「あんなに子供っぽい叶恵を見るのは、何年ぶりだろうな」
「私たちに迷惑をかけないようにって、ずっと頑張っていたものね。でも太郎くんといるときの叶恵は、本当に楽しそうね。なんだか安心したわ」
「そうだな。まるで20年前に戻ったみたいだ」
それなのに、叶恵が太郎に気づく気配は微塵もない。
焦ってはいけないことは分かってはいるが、一緒にいる時間が楽しい分ついつい期待してしまう。
「俺に気づいてくれる日は、いつになったら来るんだろう?」
「それにはもう少し時間がかかるかもしれないな」
「どうして?」
「おそらく20年も音信不通だったから、叶恵の中には今さら会えるはずがないという思いがあるんだろう。まあでも隣の太郎くんだと気づいてなくても、今の太郎くんにはだいぶん気を許しているように見えるがな」
「そうねえ。たった1日で、叶恵の態度があそこまで変わるとは思わなかったわ。それよりも、本当にお墓参りに連れて行ってもらっていいの?」
「もちろん。両親からも頼まれてるから、みんなで行こうよ」
今は焦らず、2人の言葉を信じようと太郎は思った。
望みはきっとあるはずだから……。
「あんなに子供っぽい叶恵を見るのは、何年ぶりだろうな」
「私たちに迷惑をかけないようにって、ずっと頑張っていたものね。でも太郎くんといるときの叶恵は、本当に楽しそうね。なんだか安心したわ」
「そうだな。まるで20年前に戻ったみたいだ」
それなのに、叶恵が太郎に気づく気配は微塵もない。
焦ってはいけないことは分かってはいるが、一緒にいる時間が楽しい分ついつい期待してしまう。
「俺に気づいてくれる日は、いつになったら来るんだろう?」
「それにはもう少し時間がかかるかもしれないな」
「どうして?」
「おそらく20年も音信不通だったから、叶恵の中には今さら会えるはずがないという思いがあるんだろう。まあでも隣の太郎くんだと気づいてなくても、今の太郎くんにはだいぶん気を許しているように見えるがな」
「そうねえ。たった1日で、叶恵の態度があそこまで変わるとは思わなかったわ。それよりも、本当にお墓参りに連れて行ってもらっていいの?」
「もちろん。両親からも頼まれてるから、みんなで行こうよ」
今は焦らず、2人の言葉を信じようと太郎は思った。
望みはきっとあるはずだから……。