やり残したことリスト
8時。寺島くんに会う。


通知がスマホに届く。




「今出たよー」



緊張してきた。


少し過去を思い出す。


中学校。楽しかった……気がする。


部活に友達に委員会。


うん……楽しかった気がする。


寺島くんは同じ委員会で彼は委員長だった。


好きなものが一緒で気があって、授業も隣で、馬鹿なことで笑い合って、楽しかったなあ。


戻れるなら……なんて考えてしまうのは。

とすっ


頭に冷えたペットボトルが当たる。


「うわあっ!!」


顔をあげると寺島くんが笑っている。



「久しぶり。暑い中待たせた? ごめんね」


「ううん。ありがと」


彼のくれた水を飲む。



「てかさ、なんで急に会おうって言ってきたん?」



「んーーーー?」


水を飲んでいて、答えづらい。



「しかも、どうしたんだよ。その荷物。どっか行くん?」


「ぷはー! そうなんだよ。今からちょっと遠出するから、最後に寺島くんに会いたいなっておもっ」


しまった。『最後に』なんて言うんじゃなかった。



「最後に?」


案の定だ。


「いや、間違えた。なんとなく久しぶりに会いたくなって……」



うう……寺島くんの目がマジになってるよ。



「……まさか…死ぬ……とか言わないよな?」



背中に汗が伝う。

ひんやりとしてて、一気に鳥肌が立つ。



「バッバカダナア」


声が裏返る。


「死ぬわけないじゃん。私今の生活楽しいし」


汗が一つ……二つ……
< 7 / 9 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop