恋のチャンスは3日間
お酒を飲んでひと息ついたところで、

「せっかく時間もあることだし、お互いみたい映画を選ぶってのはどうかな?」

郡司さんの提案。

「いいですね。・・・もし観たことのある映画を言ってしまったら、遠慮なく言ってくださいね」

「それは俺の台詞。森下気を使って観たことあるのを観てないって言いそうだもんな」

「え?そんな風に見えます?」

「おお、いつも周りに気を遣って、明るくさせてくれるようにしてるの見てたからな。そこは変わってねーんだよな」

「変わってない?」

「昨日も今日も俺が過ごしやすくしてくれてるのわかるよ。ありがとな」

「い、いえ・・・そんなことは・・・」

そんなことじゃない。
郡司さんに気を遣っていたわけじゃない。
好きだから、ただそうしただけだ。

・・・気を使ってるようにしかみえないとか・・・鈍感か!!

だいたい考えてみなさいよ。
なんともない男をよ。
家で泊めてよ。
酒のんでよ。
楽しく過ごすわけないでしょ。
・・・下心あるに決まってるでしょ~~。

とは、言えず。
心のなかでため息しかでてこない。

・・・酒を飲もう。
こうなったら、酔っぱらおう。

・・・昨日となにも変わっていない自分に気がついてハッとする。

伝えなきゃ変わらない。
でも、もし伝えて、気まずくなって帰るとか言い出したら・・・もったいない。
一緒に過ごせる時間を大事にしたい。

自分の心のなかで天秤にかけてみて、伝えないことに決定した。
・・・たけちゃんにまた怒られそうだな。


2人で映画を選ぶ。
私はアクション系、郡司さんはコメディ系。
・・・ほらね。恋愛映画をどっちも選ばないあたり・・・色気ゼロ。
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