恋のチャンスは3日間
ため息をひとつ落として、部屋に戻る。

毛布かけてあげないと肌寒いかもなー。

もー、完璧に酔いが醒めちゃったじゃんかー。

隣の部屋の押し入れに入っている毛布を取り出して、寝ている先輩にかけてあげる。

横向きで寝ていた先輩の顔を見て絶句。

「・・・嘘。郡司さん?」

寝ていた人は、郡司 亮平さん。私の2才年上の会社の先輩だ。
そして、私が片想いしている相手でもある。

いきなり心拍数が上がる。

ちょ、ちょ、これは・・・心の準備が・・・。

もうダッシュでベランダにでると、たけちゃんに電話をかけた。

『はいよ』

「なに、あれ?」

『あれって?』

「とぼけないで!なんで郡司さん?」

『ああ、な?。俺に感謝だろ?』

「なに言って・・・」

『長い片想いしてるから、気をきかせてやったんだよ』

「わざと?」

『いや、どこも泊まれなかったのも、華央んちが近いってのも本当のこと』

「・・・・李奈を好きだってことも?」

『・・・まあ・・・』

「・・・そっか」

『そこについてはごめん』

「別にそこに関しては、たけちゃんは悪くないから」

『・・・まあ、そうだけど・・・』

「ランチ3日奢って」

『了解』

「じゃあね」

『うん、よろしく頼む』

電話を切って部屋にいる郡司さんを見て、

「はあ」
ため息ひとつ。

そのまま部屋に戻りたくなくて、少し空を見上げた。
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