恋のチャンスは3日間
映画が後半に差し掛かったとき、私の頭に大きな手が触れた。
驚いて後ろを振り向くと、まだ少し眠そうな郡司さんがこっちを見ていた。
慌てて映画を一旦停止して
「起きたんですね。具合はどうですか?」
平静を装いながら尋ねる。
「おお、やっぱり森下だったか。・・・なんでお前がここにいんの?」
いや、ここは私の部屋だからです。
手がー、頭に手がー。
「ここ、私のアパートですよ。たけちゃんに連れてこられたの覚えてません?」
「・・・全然、全く、これっぽっちも・・・で、たけちゃんて誰?」
「え?」
覚えてないの?そこまで泥酔したってこと?
そのわりにはしっかりしているような・・・。
「たけちゃんは野村丈真のことですけど」
「ああ、野村か」
「ちなみにここは私のアパートで、泥酔した郡司さんを寝かせる場所がなくて連れてきたみたいですけど」
「ああ、なるほど。どうりで見たことない部屋だと思った」
そりゃそうだ。
「別に泥酔はしていない」
そういうと、私の頭からてをはなし起き上がった。
「めずらしいですよね。飲み会で寝ちゃうなんて」
「あー、ここ3日忙しくてろくに寝てなかったんだよ。それなのに飲みに行かされて、ビールをジョッキで2杯空きっ腹に流し込んだら、記憶がなくなった」
まだ少しぼーっとしてるような感じ。
「そうですか。大変でしたね」
にこっと笑うと
すまなそうに言った。
「迷惑ついでに、シャワー借りられる?」
「あ、はい・・・構いませんけど」
「悪いな。ここ2日風呂入ってないんだわ。臭ってねぇ?」
よほど忙しかったらしい。
「大丈夫です。あ、ちょっと待ってくださいね」
私は立ち上がって、自分の寝室へ急ぐ。
タンスをあけ、まだ新品の男物の下着を確認する。それとTシャツ。スエット上下。
一式をもって郡司さんの元へ戻る。
「あの、下着ってLのボクサーならあるんですけど、それで大丈夫ですか?」
なんか聞くの恥ずかしいな。
「ああ、うん、大丈夫。・・・予備あるってことは彼氏の?」
不意打ち。
え?なにその質問。
「ち、違います!お、弟のです!!Tシャツとスエットは新品じゃないけど、下着は新しいのが1枚残ってたんで」
思わず声が大きくなる。
「ふーん」
「たまに、泊まりに来るんです。年に1、2回ですけど。その時用に買っておいたものなので。・・・嫌でなければ、ですけど」
「助かるよ。ありがとう」
立ち上がって素直に受け取ってもらったことに安堵する。
「お風呂こっちです」
そのまま案内をする。
「バスタオルとタオルはここにあります。使い終わったらそこにある洗濯籠にいれておいてください」
「了解」
「あ、あと歯ブラシ出しておきますね。歯磨き粉はこれ使ってください」
未使用の携帯サイズの歯磨き粉を洗面台の引き出しから出す。
「さんきゅ」
軽く笑顔で言ってくれた「さんきゅ」にキュンとする。・・・失恋してんだけどさ。
そのままドアを閉めて、私は少し放心状態になりながら、ソファーに腰を下ろした。
驚いて後ろを振り向くと、まだ少し眠そうな郡司さんがこっちを見ていた。
慌てて映画を一旦停止して
「起きたんですね。具合はどうですか?」
平静を装いながら尋ねる。
「おお、やっぱり森下だったか。・・・なんでお前がここにいんの?」
いや、ここは私の部屋だからです。
手がー、頭に手がー。
「ここ、私のアパートですよ。たけちゃんに連れてこられたの覚えてません?」
「・・・全然、全く、これっぽっちも・・・で、たけちゃんて誰?」
「え?」
覚えてないの?そこまで泥酔したってこと?
そのわりにはしっかりしているような・・・。
「たけちゃんは野村丈真のことですけど」
「ああ、野村か」
「ちなみにここは私のアパートで、泥酔した郡司さんを寝かせる場所がなくて連れてきたみたいですけど」
「ああ、なるほど。どうりで見たことない部屋だと思った」
そりゃそうだ。
「別に泥酔はしていない」
そういうと、私の頭からてをはなし起き上がった。
「めずらしいですよね。飲み会で寝ちゃうなんて」
「あー、ここ3日忙しくてろくに寝てなかったんだよ。それなのに飲みに行かされて、ビールをジョッキで2杯空きっ腹に流し込んだら、記憶がなくなった」
まだ少しぼーっとしてるような感じ。
「そうですか。大変でしたね」
にこっと笑うと
すまなそうに言った。
「迷惑ついでに、シャワー借りられる?」
「あ、はい・・・構いませんけど」
「悪いな。ここ2日風呂入ってないんだわ。臭ってねぇ?」
よほど忙しかったらしい。
「大丈夫です。あ、ちょっと待ってくださいね」
私は立ち上がって、自分の寝室へ急ぐ。
タンスをあけ、まだ新品の男物の下着を確認する。それとTシャツ。スエット上下。
一式をもって郡司さんの元へ戻る。
「あの、下着ってLのボクサーならあるんですけど、それで大丈夫ですか?」
なんか聞くの恥ずかしいな。
「ああ、うん、大丈夫。・・・予備あるってことは彼氏の?」
不意打ち。
え?なにその質問。
「ち、違います!お、弟のです!!Tシャツとスエットは新品じゃないけど、下着は新しいのが1枚残ってたんで」
思わず声が大きくなる。
「ふーん」
「たまに、泊まりに来るんです。年に1、2回ですけど。その時用に買っておいたものなので。・・・嫌でなければ、ですけど」
「助かるよ。ありがとう」
立ち上がって素直に受け取ってもらったことに安堵する。
「お風呂こっちです」
そのまま案内をする。
「バスタオルとタオルはここにあります。使い終わったらそこにある洗濯籠にいれておいてください」
「了解」
「あ、あと歯ブラシ出しておきますね。歯磨き粉はこれ使ってください」
未使用の携帯サイズの歯磨き粉を洗面台の引き出しから出す。
「さんきゅ」
軽く笑顔で言ってくれた「さんきゅ」にキュンとする。・・・失恋してんだけどさ。
そのままドアを閉めて、私は少し放心状態になりながら、ソファーに腰を下ろした。