メガネの彼に溺愛されてます
ガラガラッと勢い良くドアが開く。
隆くん、と思ってドアのほうを見ると。
「あれ、隆いないじゃん」
そこに立っていたのは、ジャージ姿でポニーテールの女の子だった。
その子は私に気がついてにこっと笑う。
「先輩が柊果さん?」
「うん」
とりあえず頷く。
隆くんの友達?
「隆がメガネをかけて会ってるひと」
ぼそっと呟いた言葉が引っ掛かる。
「え、どういうこと?」
メガネをかけてということは、普段はかけていないのかな。
隆くん伊達メガネなの?
いや、それはありえない。
昨日かけたけど、メガネのレンズには度が入ってた。
というか、なんか隆くんと親しそうで。
どういう関係なんだろ。
「麗奈!なんでここに?」
ぐるぐると考えているところに、ようやく隆くんが図書室に入ってきた。