メガネの彼に溺愛されてます
「隆なんて、図書室にかわいい先輩いるから、部活に戻りたくないとか言ってたくせに」
「お前、それは言うなよ!」
パッと耳を塞がれるけど、全部聞こえてる。
「…隆くんどういうこと?」
話がよくわからないけど。
隠し事をされていることはわかる。
ちゃんと、話してほしい。
隆くんの腕の中から出て、向き合うと困ったような顔をしていて。
その顔も好きだけど、今は話を聞きたい。
「邪魔者は退散しまーす」と言いながら彼女はそろそろと図書室から出て。
ドアは静かに閉められた。
カチカチと時計の秒針が動く音が響く。
「…ちょっと長いけど、僕が片思いしてた話聞いてくれる?」
「う、うん」
片思い、というのは『私に』なのだろうか。