メガネの彼に溺愛されてます
「…普通引かない?」
「引かない。むしろラッキーって思った」
隆くんは、はずしたメガネをかけて近づいてくる。
「ただ、メガネをかけるだけで好きになってもらえるなら。
こんな簡単なことないよ」
屈んで目線を合わせられると、恥ずかしくてたまらないのに目をそらせない。
「柊果ちゃんこそ引かない?
隠し事ばっかりで、わざわざメガネをかけてまで気を引こうとしてた僕のこと」
「……引くわけないじゃん」
少し不安そうな、メガネ越しに見えるその目が無性に愛しくなって。
ぎゅっと首を引き寄せて抱きしめた。