メガネの彼に溺愛されてます
僕が彼女を溺愛する理由


広い体育館で跳ねるボール、部員の声、キュキュッと響くバッシュの音は。


…ここにはない。


はあ、と深いため息を吐きながら本をめくる。
バスケが出てくる本を読んでも、むなしくなるだけ。


この間、部活のときにした怪我で年明けまではバスケができないことになった。


そればかりか、体育館にいるとバスケをしたくなるだろうからって。

顧問の先生がかけ持ちしている図書委員の手伝いにまわされて。


ページをめくる音と時計の音だけの静かな図書室で療養中だ。



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