メガネの彼に溺愛されてます


図書室の鍵を職員室に返すから、と。
廊下で待たされる。

これは。
約束はしてないけど、一緒に帰ってくれるんだ。

にやけるのを堪えながら、壁に寄りかかる。


職員室前は部活の終わる時間が近いのか、顧問を呼びに来る生徒や鍵を返しに来る生徒がひっきりなしに来る。

まだかなと、入口の近くまで移動したところで。
ガラッとドアが開いた。

さらっとした黒髪とメガネをかけた整った顔のひと。
隆くんがドアから顔を出す。



「長山じゃん、おつかれ」


私が話しかけるより前に、彼に話しかけたのはバスケのユニホームを着た男子だった。
あわてて、少し入口から離れる。


「館川おつかれ」


どうやら友人らしい。
館川と呼ばれたそのひとは、隆くんよりさらに背が高い。


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