捨てられた聖女のはずが、精霊の森で隣国の王子に求婚されちゃいました。【改稿版】
加速するフラストレーション!?
奇妙な夢を見るようになってから、かれこれ数週間が経った。
レオンと一緒に暮らすようになってもうすぐ一月半。
私がこの異世界にきてから二ヶ月半が過ぎた。
召喚されたときには、春らしい赤色のボーダー柄のカットソーにワイドパンツという装いだったはずが……。
今ではこちらの世界の人々が着ている地味な色のワンピースような服のしたにシュミーズという肌着を身につけている。
ーー何これ、地味な服。それに動きにくい。
はじめは、元いた世界で身につけいたものとは違い、伸縮性のない生地でできた服での動作に苦戦したが、もうそんなこともなく、馴染んでしまっている。
幼少期から羽目も外すことなく、家庭という狭い世界の中で、両親の言葉は絶対だった。
そういう環境にいたせいか、少々のことは我慢できる。だからどんな環境でも順応できるのかもしれない。
そういう意味では、過干渉気味だった両親に感謝している。
ただ、しっかりとした下着ではないので、胸の辺りが心許ないというのが難点だ。
まぁ、別に、上に来ている服の生地がしっかりしているし色も濃いので、透けるようなことはないから支障はない。
けれども寝ているときに、一緒に寝床を共にしているレオンをぎゅっと抱きしめているせいか、レオンが身動ぎするたびに、デリケートゾーンに触れてしまうのだ。
それだけなら特段、気にもしなかっただろう。
けれど、例のはしたない夢のことがあるので、どうにも気にかかってしょうがない。
もしかしたら、その時に生じてしまう甘やかな刺激に触発されて、例の夢を見るようになったのではないか。
そう思えてならなかった。