捨てられた聖女のはずが、精霊の森で隣国の王子に求婚されちゃいました。【改稿版】
あたかもレオンの怪しく煌めく綺麗なサファイヤブルーの瞳に囚われてしまったかのように。
レオンに惹きつけられフリーズしている私のことを、レオンはやっぱり愛おしげに熱のこもった眼差しで見つめつつ、ベッドに腰を下ろすと。
「そんな女神のようなノゾミと一緒にここで過ごしたんだ。僕にとってはとても特別なことだよ」
そう語りながら布団の上を愛おしげな手つきで撫で始めたレオンの姿を目にした瞬間。
パチンと弾けるように我に返った私は、言いようのない羞恥を覚えた。
一刻も早くベッドから離れてほしくて、大慌てで駆け寄った私は、ベッドに腰を下ろしたレオンめがけて突進してしまう。
気づいた時には、レオンの身体に体当たりしたことで、ベッドの上にレオンの身体を押し倒す格好となっていた。
それだけじゃない。
非常に運の悪いことに、お腹に抱え込んでいたブラがレオンと私の身体とに挟まれてしまっているようだ。
ちょうどお腹の辺りにその感触がするが、今はそれどころじゃない。
レオンに組み敷かれていた淫夢のなかでの体勢とは真逆だけれど、さほど大差ない。
こんなにも密着しているのだ。
否が応でも淫夢でのあれこれがフラッシュバックしてしまう。
「////ーーひゃっ!?」
慌てて飛び退こうとした私の身体をレオンが腕を回すことで封じたために、それは叶わなかった。
なんとか逃れようとジタバタしているとお腹の辺りにもぞもぞという感触がして。
ーーあっ、ヤバい。ブラがあったんだ。
ブラの存在を思い出した私がそれをつかみ取ろうと足掻くも、すでにブラをキャッチしていたらしいレオンの手が互いの顔の間で掲げられていて。
眼前には、可愛いリボンとレースがあしらわれた薄桃色のブラがゆらゆらと悩ましく揺らめいていたのだった。
「おう! これがノゾミがいたという異世界のブラという下着なんだねぇ。うっとりするほどの美しさ。まるでノゾミのようだ」
「////ーーッ!?」
あまりの羞恥に言葉も失い、あわあわすることしかできないでいる私の羞恥に、あたかも追い打ちの如く放たれた、レオンの感嘆の声が響き渡るという、なんとも地獄絵図のような状況に追い込まれてしまっている。