捨てられた聖女のはずが、精霊の森で隣国の王子に求婚されちゃいました。【改稿版】
なんとか胸元だけでも腕で隠そうとするも、すかさずレオンに、
「駄目だよ、ノゾミ。隠さないで。芸術品のようにとっても綺麗だよ。だから、お願い。ね?」
そう言ってやんわりと咎められたうえに、なんとも甘やかな声音での称賛までなされ、私は余計に羞恥に苛まれてしまう。
けれども続けざまに、耳に心地のいい、あの、レオンの優しい甘やかな声音で、乞うに囁かれてしまえば、どうにも逆らうことができない。
それどころか、羞恥を覚えながらも、素直に応じる私のことを満足そうに、恍惚の表情で見下ろしてくるレオンのその様が、あまりに妖艶で、綺麗なものだから、惹きつけられたように目を逸らすことさえできずにいる。
そうこうしているうちに、私の脱衣を済ませたレオンが、今度は自分の衣服を寛げにかかったかと思えば、パチンと指を鳴らすと同時に、瞬く間に一糸まとわぬ、あたかも美術館にでも展示されている彫刻のような、なんとも美しい肉体美が露わになった。
その艶めかしくも美しい鍛えられたレオンの裸体を前に、私は鼻血でも出すんじゃないかと思うほどに、胸をドキドキと高鳴らせてしまっている。
そのことに目ざとく気づいた様子のレオンが、私のことをまじまじと見下ろしてくる。
レオンの熱い視線に耐えきれず、かといって逃げ場もない。
羞恥にまみれ泣きそうになっていると、レオンが私のことをふわりと包み込むように抱きしめてきて、互いの身体が重なりあった刹那、心地よい安堵感に包まれた。
そこにレオンが甘やかな声音で。
「あぁ、ノゾミ。君はなんて愛らしいんだ。もうこのまま喰らい尽くしてしまいそうだ。君が可愛すぎるからいけないんだよ」
耳元に溜息交じりの囁きを落としてくるなり、頸動脈に喰らいつくようにむしゃぶりついてきた。
「////ーーあっ、ひゃんッ!?」
喰らいつかれたといっても、絶妙な力加減で甘噛されているせいか、痛さはまったく感じない。
その代わり、レオンにむしゃぶりつかれたところから、あたかも雷にでも撃たれたかのような衝撃と一緒に、媚薬のような甘やかな痺れが全身へと駆け巡る。
あられもない声を放った私の身体は弓なりに大きく跳ね上がった。