雪のように、溶けてなくなりたい
「夏目!おはよう!!」
「…おはよう」
苦痛の登校をなんとか乗り越え、学校に着いた。
朝から元気な声で挨拶をしてきたのは、同じクラスの榎並 陽子(えなみ ようこ)。
毎朝元気で、キラキラ笑顔。
陽子…名前の通り、太陽の陽が入ってるから私には眩しいぐらいだ。
私は夏目 月(なつめ つき)。
夜がぴったりの名前。
「朝から疲れた顔してるねー?私たちまだ16歳よ?テンション上げてこっ」
「いてっ」
バシバシと私の背中を叩き、陽子はまた違う子に挨拶している。
「…ほんと、朝から元気だな」
陽子とは、高校に入学した時からの友達。
全く正反対の性格で、よく友達になれたなぁって思ったりする。
私には持っていない、明るさ。
毎日、元気いっぱい。
朝、登校してくるだけで疲れてしまう私とは違う。
きっと陽子には、私の気持ちはわからない。