雪と虎
「ウサカワサンとヤマダサン」
「学科は違うんだけど同じ学部でね、一般教養が同じ講義室で」
和風サラダと一口コロッケもテーブルに置いていく。
「どこで」
「学校の中に入ってるコーヒーショップ。なんかお洒落だった」
「良かったな」
虎太朗は頷き、わたしもそれに返した。
後に、わたしはそのコーヒーショップが全国チェーンで、どこにでもある物だと知る。
バイトを終えると、虎太朗と三分もかからない道を一緒に帰った。
「コタは勉強してるの?」
うちに来てから喧嘩はしなくなったらしい。
最初見たときにあった顔の傷は、今はもう綺麗さっぱり消えた。