雪と虎

宅配便に次いで何だ、とインターホンまで向かう。

「中身、荷物って書いてある」
『あー! あれね』
「荷物って何?」
『荷物よ』

荷物とは。
インターホンのモニターに映った人物に、ぽかんと口を開く。
言葉の通り、言葉を失った。

「……コタがいる」
『うん、そう』
「え?」
『それ、コタくんの荷物よ』

沈黙の中、もう一度チャイムが鳴った。





虎太朗は静かにコンビニ弁当を食べている。レンジで温めたのでほかほかだ。

昨日から何も食べていないのか、という程の大食いは通常通り。食べた分のエネルギー、どこに入ってるのだろう。

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