雪と虎
何故それを知ってるのだろう。
いや、学生一人で住むには余る部屋の数ではあるけれど。
「依知がいるから」
いつもの部屋着を取り出しながら、虎太朗が振り向く。
「帰ってきた」
……意味が分からない。
一週間経っても虎太朗はうちに居た。
合鍵も何故か持っている。
こっちの大学に通っているらしい。
らしい、というのはわたしは虎太朗と口を利いていないからだ。
一応、納得はしていない、というポーズ。
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