雪と虎
勝手に同じだと思って、勝手に同類にした。
虎太朗めがけて投げられた石は華麗に避けられ、それがわたしにぶつかった。
だから、同じ場所まで堕ちてきて。
一緒に、ここにいて。
そうして、巻き込んだ。
わたしに石をぶつけた相手は傷害で捕まることは無く、その代わりなのか、どこかへ消えてしまった。そこにいた隣高の数人全員が。
これが事の顛末だ。
これまでも、これからも、誰にも話さずわたしが墓まで持っていく。
わたしの罪の話。
「依知?」
虎太朗がきょとんとこちらを見ていた。
「いいかげん、解放してあげるって言ってるの」