離婚を申し出た政略妻は、キャリア官僚の独占愛に甘く溶かされそうです
更衣室に入ると、誰もいなかった。受付以外は着替える必要がないので、ここを利用する社員はあまりいないのだ。
自分用のロッカーを開け、出勤用に着てきたブラウスとパンツを脱ぎ、制服のワンピースに足から体を通す。
「おはようございまーす」
ちょうど背中のファスナーを上げきった時、更衣室のドアが開いて、聞き慣れた先輩の声がした。
振り返ると、きっちり結ったポニーテールを揺らし、胸元がざっくり開いたシャツから豊満な胸の谷間をのぞかせたグラマラスボディを持つ同じ受付の先輩、榎本雨音さんが出勤してきたところだった。
「おはようございます、雨音さん」
「おはよう佳乃ちゃん。あら? なんだかいつもより肌艶がいいわねぇ」
雨音さんが無邪気に顔を近づけてきて、私の頬を撫でる。私より背が高い雨音さんは自然と前かがみになり、視線がつい谷間に向く。
雨音さんからはマシュマロみたいな甘い香りもしていて、同性ながらドキドキした。私にもその色気を半分分けてくださいと言いたい。