美琴ちゃん、大丈夫?
「え?屋上に人…え、あんな端っこ、やばくない!?」
「えっ、やばいやばい、危ない!!」
「あれ誰?」
「誰か!先生!!」
その声に顔をあげると、厳重に鍵がかかってて入れないはずの屋上に女子生徒の姿。
フワフワの茶色い髪が風になびいてる。
「…!」
私たちは下駄箱に急いで靴を履き替え、屋上までの階段を駆け上がった。
…だめ。
ダメだよ絶対
死んだって、何にもならない…!
屋上の扉を開けると、私たちを拒絶するように強い風が吹いた。
ドアのすぐそこに松葉杖が転がっている。
その先に足を引きずり懸命に前に進んでいく時山君の背中。
時山君が息も絶え絶えに叫んだ。