美琴ちゃん、大丈夫?
キヨマサとの噂は、あくまで噂。
そう思って、少し期待してしまっていたのかもしれない。
初めて2人のいい感じのシーンを目撃してしまって正直、ちょっとくらってる。
…いや、だいぶくらってる。
それは多分、
俺のために怒って、守ってくれた柊さんの姿を思い出してしまうからだ。
俺が好きって言ったら困るかって言った時の柊さんの反応を思い出してしまうからだ。
動揺しながらも少し嬉しそうにする仕草や、汗ばんだ手、真っ赤になった耳を思い出してしまうからだ。
「はぁー…
…もー!」
みんながまさに改札を抜けたタイミング。
改札手前で頭を抱える俺を、みんなが不思議そうに見る。
「どうした?時山」
「…ごめん!先行ってて!」
「え!?」
俺は改札の向こうにいるみんなに背を向けて、今しがた登ってきた階段を降り始める。
「おいおい!ちょっと待てって、時山さーん!?」
瀬野の叫ぶ声を背中に感じながら
頭の中では由月の『純は、純の好きな人を大事にしてね』という言葉と
一度捨てたはずの煩悩が渦巻いていた。
そう思って、少し期待してしまっていたのかもしれない。
初めて2人のいい感じのシーンを目撃してしまって正直、ちょっとくらってる。
…いや、だいぶくらってる。
それは多分、
俺のために怒って、守ってくれた柊さんの姿を思い出してしまうからだ。
俺が好きって言ったら困るかって言った時の柊さんの反応を思い出してしまうからだ。
動揺しながらも少し嬉しそうにする仕草や、汗ばんだ手、真っ赤になった耳を思い出してしまうからだ。
「はぁー…
…もー!」
みんながまさに改札を抜けたタイミング。
改札手前で頭を抱える俺を、みんなが不思議そうに見る。
「どうした?時山」
「…ごめん!先行ってて!」
「え!?」
俺は改札の向こうにいるみんなに背を向けて、今しがた登ってきた階段を降り始める。
「おいおい!ちょっと待てって、時山さーん!?」
瀬野の叫ぶ声を背中に感じながら
頭の中では由月の『純は、純の好きな人を大事にしてね』という言葉と
一度捨てたはずの煩悩が渦巻いていた。