美琴ちゃん、大丈夫?
「推しの幸せは俺の幸せ!はい!」



私の手を、時山君の手の上にポンと乗せてギュッと握らせた。





「「え!?」」



時山君と声がハモる。








「ちょ!ちょっとキヨマサ君!」





キヨマサ君はニカッと素敵なスマイルを残して「んじゃねー!」と階段をかけあがっていく。





「「…」」





残された私と時山君は呆然とその背中を見送り、ゆっくりと目を合わせた。

近くで見るまんまるの目と、大きな手の感触、温もりが

私の心臓を忙しなく動かし始める。



手を離そうにも離せない。

というか……離したくない…かも。


時山君も混乱した様子で何か言いたげに、でも、手は離さない。



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