美琴ちゃん、大丈夫?
「…」
明らかに普通じゃない。
こんな何度も、しかも色んな場所に広範囲で出会うなんて。
でも不思議と怖くないのは、この子がまるで敵意を持っていなくて無邪気に、それでいて健気に何かを伝えようとしているのが分かるからだ。
「…君、いつもどうして私についてきてるの?何か言いたいことがあるの?」
しゃがんで猫に話しかける。
「ニャー」
猫も真ん丸な目で私に話しかけてる。
当たり前だけど、何を言ってるのかわからない。
でもやっぱり、私に何かを伝えようとしてる。
「……柊さん?」
上から時山君の心配そうな声が落ちてきて、ハッと顔をあげる。
「あ…えっと、あのね」
「誰と話してるの?」
「え?」
視線を下に戻すと、猫は…
いる。
確かにいる。
「……もしかして、見えない?」
「え?…はは、急に真顔で怖い冗談やめてよ。」
「…」
時山君の様子からして、本当に見えてなさそうだ。
そういえば前に優花も見えてなかった。
もう一度足元の猫に視線を戻す。
「ニャー。」
いつもすぐ逃げてしまうのに、今日は逃げずに足にフワフワの毛をスリスリしてくる。
「…フフ。くすぐったい。」
「…柊さん?」
時山君が、困惑してかたまっている。
これ以上怖がらせてはいけないな…。
「…あはは。なーんちゃって。」
「…あ、あー、ビックリしたー。今、頭の中でよにきものテーマソング流れてたわ」
時山君が胸に手を当てて大きく息を吐いた。
「ごめん、緊張しちゃって、…そう、和ませようと思って…」
何とかごまかしながら、足元の猫をまた見やると呑気に頭を足でかいてる。
…おーい。君のせいだぞ。
明らかに普通じゃない。
こんな何度も、しかも色んな場所に広範囲で出会うなんて。
でも不思議と怖くないのは、この子がまるで敵意を持っていなくて無邪気に、それでいて健気に何かを伝えようとしているのが分かるからだ。
「…君、いつもどうして私についてきてるの?何か言いたいことがあるの?」
しゃがんで猫に話しかける。
「ニャー」
猫も真ん丸な目で私に話しかけてる。
当たり前だけど、何を言ってるのかわからない。
でもやっぱり、私に何かを伝えようとしてる。
「……柊さん?」
上から時山君の心配そうな声が落ちてきて、ハッと顔をあげる。
「あ…えっと、あのね」
「誰と話してるの?」
「え?」
視線を下に戻すと、猫は…
いる。
確かにいる。
「……もしかして、見えない?」
「え?…はは、急に真顔で怖い冗談やめてよ。」
「…」
時山君の様子からして、本当に見えてなさそうだ。
そういえば前に優花も見えてなかった。
もう一度足元の猫に視線を戻す。
「ニャー。」
いつもすぐ逃げてしまうのに、今日は逃げずに足にフワフワの毛をスリスリしてくる。
「…フフ。くすぐったい。」
「…柊さん?」
時山君が、困惑してかたまっている。
これ以上怖がらせてはいけないな…。
「…あはは。なーんちゃって。」
「…あ、あー、ビックリしたー。今、頭の中でよにきものテーマソング流れてたわ」
時山君が胸に手を当てて大きく息を吐いた。
「ごめん、緊張しちゃって、…そう、和ませようと思って…」
何とかごまかしながら、足元の猫をまた見やると呑気に頭を足でかいてる。
…おーい。君のせいだぞ。