美琴ちゃん、大丈夫?
君の誠意、私の誠意、甘いソフト。
「時山君」
「ん?」
「えっと…大丈夫?」
「何が?」
「……手、すごい汗。」
「あっ、ごめん。汗っかきでさ。はは。」
時山君は一度私の手を離し、服の裾でゴシゴシするとフー…と息をつく。
「…」
…多分違う。
だって顔、真っ白。
私たちはこれからジェットコースターに乗るべく行列に並んでいる。
子猫もしっかりついてきていて、いまザ・ナーバスの時山君の肩によじ登ってくつろいでいる。
…本当に私にしか見えないんだなぁ。
私たちの前には小学校低学年ぐらいの兄妹が「あのね、全然怖くないよ!」「私も!」とお母さんに訴えている。
私は時山君を見る。
「え?」
「…」
「…全然怖くないよ!」
…笑顔がひきつってるなぁ。