美琴ちゃん、大丈夫?
「おはよう。どうしたの?浮かない顔して。」
階下に降りると、お母さんが湯気のたつお味噌汁をコトッと机に置いて私の顔を覗き込んだ。
「おはよ。んー、なんか変な夢見ちゃって。」
「どんな夢?」
「それが、思い出せないの。」
「フフ、何よそれ。ほら、さっさとご飯食べて支度しなさい。」
「…うん。」
大盛りご飯に大根とわかめのお味噌汁、焼き鮭、卵焼き、納豆、お漬物…
ホッとするいつもの朝ごはん。
ぐきゅるるるる…
そしていつもの腹の虫。
「…いただきます。」
…ん?
「お父さんは?」
「何言ってんのよ。お父さんはもうこの時間仕事行ってるでしょ。去年から部署が変わって早くなったんだから。」
「…そっか。そうだよね。」
わたし何言ってるんだろ?
「もう、今日はなんだかボーッとしてるわね美琴。しっかり食べて元気出しなさい、ほら。」
お母さんがおまけに卵焼きを追加してくれた。やった。
「うん。いただきます!」