美琴ちゃん、大丈夫?
「あの……おれ、柊さんになんかしたかな…?」
「え」
時山くんが視線を外しながら頭をかいた。
「あ、いや、違ったらいいんだけど……いつも避けられてる気がして。
九条とか羽根村とはよく話してるような…えっと…俺も話した……い、わけじゃなくて、いや、わけじゃなくもないんだけど……あれ、俺何言ってんだろ…」
何も言えないでいる私と、なんとも言えない顔で笑う時山くん。
「えっと……俺のこと、
嫌い……ですか…?」
時山くんが伺うように少し首を傾げる。
私は慌てて首を横に振って精一杯声を絞り出す。
「…逆です」
そう、嫌いの逆……、
…あれ?
「逆……?」
時山くんがまんまるの目で私を見て固まってる。
「ぎゃ、く……?」
自分で言った言葉の意味を、考える。
逆って
す……
「……ッ!」
グワッと熱が顔に集中して、沸騰する。
「……!」
私、なんてことを言おうと…!?
訂正、訂正しなきゃ
あ、でも訂正すると嫌いになっちゃう?
えっと、えっと…!
『ピピピピピピ…』