美琴ちゃん、大丈夫?
「あ。ねー美琴。あのパンリオのアプリ今もやってる?」
「やってるよ。見る?」
「うん!どうなった?」
私はアプリをタップしてゲームを起動する。
「おぉー!おうちが豪華になってるー!あ!このキラキラした果物、メロン!?」
私はフフン、と得意げに笑ってみせる。
「見て。ポン介の衣装グレードアップしたの。」
「あはは、魚の着ぐるみ?」
「うん。まぐろ。」
「美琴の趣味はいつも独特だねぇ」
「そうかな?」
かわいいけどなぁ。
「時山ー!」
その単語にビクッと体が跳ねる。
隣のクラスのベランダにいる男子が時山くんを呼んだ。
ちなみに隣のベランダとは隔たりがない。
「んー?」
教室の中から時山くんの声。
「これ見ろよ。絶対笑うから。」
「絶対笑うとか、ハードル上げて大丈夫?」
「大丈夫大丈夫。」
時山くんがベランダに来て、こちらに気づくことなく男の子2人に手招きされてスマホを覗き込む。
「……ハッ、そっちの意味?お前ら昼間っからなに見てんだ、よ…」
と、
目があった。