美琴ちゃん、大丈夫?
いつも通りバスに揺られたあと電車に乗り、高校の最寄り駅で降りて歩き出すと、
後ろから聞き慣れた声。
「美琴」
いつも通りの、無表情の男子校生。
「唯。おはよ。」
幼馴染の九条 唯(くじょう ゆい)が隣に並んで一緒に歩き出す。
いつも通りの唯に、なんだかホッとしてる自分がいる。
「はよ。…なんかあった?」
唯はぼーっとしてるように見えて、相変わらず鋭い。
「うーん…分かんないの、それが。」
「?」
唯が首を傾げる。
そうだよね。唯の方がわかんないよね。
「唯くーん!美琴ー!」
背後からダダダダ!と迫り来る足音。
「おっはよーぅ!!」
ローテンションの私たちと真逆の超ハイテンションなこの子は、羽根村 優花(はねむら ゆか)。
私と唯の間に突進してぎゅーッと抱きついてくる。
「優花。おはよ。」
優花の笑顔、癒されるなぁ。
「フフッ。」
優花は私とアイコンタクトした後、唯を見る。
「はい唯くん!今日もかっこいい!ラブ!」
惜しげもなく愛を叫んで唯の腕に抱きつく。
…そして、よいしょ、とはがされる。
ここまでデフォ。