美琴ちゃん、大丈夫?

「フフッ。」







しまった。


リアルで笑ってしまった。



私は口を押さえてすぐそこにいる兄をちらっと見やる。


…パーカーのフードの陰からガン見してる兄。



「…男?」


「…いや?」


面倒なのでしれっと嘘をつく。


「そうか。男か。今度にぃにが見てあげようか?」


…なんでバレる?


「そんなんじゃないから。やめて。」


そう言ってる間にまた時山君のポン介が『おーい』と手をふってアピールしてる。


慌ててポン介を動かすと、今度は私のポン介の周りを時山君のポン介がカニ歩きで周りはじめた。

また笑いそうになって私は顔をバッと俯かせる。

「…」


にやにやする兄。



『マグロのポン介、かわいいよね』





『だよね?今日優花に、美琴のセンスは独特って言われたけど、マグロ可愛いよね』


『可愛いと思う!でも、俺もセンス独特って言われたことある。(笑)』


…なにそれ。なんか嬉しい。

また顔がニヤけそうになる。




時山君のポン介が少しの間止まってから、ぴょんぴょんした。



『はー楽しかった。ごめん、そろそろ風呂入んなきゃだわ。』



…もうおしまい?ちょっと寂しい。



『…もっと話したかったけど。』



「!」




私も。私もだよ、時山くん。



もっと話したい。







…じゃあ、お風呂から出たらまた話す…?







なんて言う勇気もなく。




『柊さん、またね』


時山君のポン介がバイバイする。







『うん。またね。』


私もポン介をバイバイさせる。




ピロロン♪


『junが退出しました。』



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