美琴ちゃん、大丈夫?
「純ー!!風呂ー!!」



母さんの声。



「…はーい!」



あー…もっと柊ポン介と戯れていたい。

もうちょっと…。



「純ー!!…10秒以内に入らないと今週の風呂掃除当番全部あんたにするよ!はい10、9…


母さんが無情なカウントダウンを開始した。



「あぁー!はいはい!行きます行きます!待って!」


俺はスマホを持ったまま着替えを掴んで風呂場へ急いだ。


脱衣所で柊ポン介に別れの挨拶をする。


『…もっと話したかったけど。』



つい、本音が漏れる。



…風呂から出た後も、する?







いや、さすがにウザいよな。柊さん勉強するだろうし。



おれがバイバイすると、柊ポン介も手を目一杯のばしてバイバイしてくれる。


柊さんでイメージ変換して、またニヤける。

ねぇ、これどんな顔してやってんの?



あー。なんか俺今すげー楽しい。



今日のことを思い返してニヤニヤしながら脱衣所にスマホを置いて風呂に入った。



明日も話せるかな。


聞きたいことがたくさんある。


大学生と付き合ってるって、ほんと?


シャトルランの時、頑張れって言ってくれた?


俺がこんなふうに柊さんのことばっか考えてるって知ったら、どんな顔する?


柊さんのこともっと知りたいって言ったら、困る…?


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