美琴ちゃん、大丈夫?
「可愛すぎるだろぉぉぉぉー!!!!」




キヨマサ君が空に向かって大声で叫んだ。




「うるっせーぞキヨマサァ!」


警察に男たちを引き渡したらしい野球部の仲間たちが、キヨマサくんを叱責した。


なぜかorzのポーズのキヨマサくん。


「だってさあー、柊さんが、もう…なんなん?あー!ほんと良かった助けられて!」


キヨマサ君と同じく、やんちゃそうな見た目の男の子たちが金属バット片手に笑った。



「ほーんとよかったよ。キヨマサがあほみたいな顔してやばい!やばい!って走ってくるから焦ったわー」

「ポリが柊さんに話聞きたがってたけど、落ち着いてからでいいってよ。あ、茶のむ?口付けてないペットボトルあるよ」

「つーか柊さん、寒くない?あー男くさいジャージしかねぇな。女子マネまだいたか?」


「…」



あまりにも優しい野球部の人たちに、ただただ驚く。

今まで『チャラそう』と偏見の目で見ていたことを心から恥じた。



フー、と冷静になったキヨマサ君が「地面冷たいでしょ。立てる?」と手を差し出してくれて、「うん」と右手を動かした。


「…っ!」


激痛。


「え!大丈夫!?」


「…、」


…痛みで喋れない。




これ、やばい



痛みに目を閉じて耐えながら、野球部の人たちが慌てているのを感じる。









そして、



空手道部のみんなのこと



土曜日の決戦のことを思い出して



胸の内がヒリヒリとうずくのを感じた。






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