美琴ちゃん、大丈夫?
振り返るよりも早く、私は後ろから強く抱きしめられていた。








…否。






羽交い絞めにされて、口を塞がれていた。






机の陰からもう1人…、2人。





2人とも見たことない男子生徒。


一見、真面目そうな生徒に見えるけど、手にはバットや手錠など物騒なもの。


ニタニタしながら近づいてくる。




デジャヴを感じて、身体の底のほうから恐怖心がせりあがってくる。






「おとなしくしててね?ひーらぎ、さん。」



荒い息を吐きながら耳元で囁くその声は、時山君とは似ても似つかないしゃがれ声だった。
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