美琴ちゃん、大丈夫?
「おっはよ〜ぅ!」
優花が元気に挨拶すると、教室のみんなも口々に挨拶を返す。
「おはー!」
「おっすー優花」
「柊さんもおはよ〜」
私もすんなり挨拶を口にする。
「おはよ。」
「「「…」」」
…あれ?
みんなが黙って私に注目してる。
「今日も美しいね…柊さん…」
「可愛い…本当に生きて動いてるの?奇跡か?」
「100年に1人…いや、10000年に1人の奇跡の美少女…どけよ羽根村、柊さんが見えねーだろ」
「えぇ!ひどい!」
みんなが謎に平伏してハハーッてしてる。
「美琴。こういうときはみんなの頭を踏んでグリグリして、『これがいいんだろ!?』って言うんだよ」
優花が耳打ちする。
「え、そうなの?」
みんなの頭踏むなんて気がひける…
「おい優花、てめーなんてこと柊さんに吹き込んでんだよ」
「そうだよ、それどこのSM女王だよ!」
「柊さんも真にうけないの!」
「う、すいません」
「あはは!柊さん素直すぎるだろ〜」
…こんな風にクラスの子達と話すようになったのは最近のこと。
これまでは1人で行動することが多かった私。
それが当たり前だったから、そんなに辛いと思うことはなかった。唯もいたし。
それでも、
『ねーねー柊さん。私、羽根村優花!お友達になろー!』
優花が声をかけてくれたときは素直に嬉しかった。
「なんだよーぅ、みんな喜ぶと思って言ったのにぃ!」
「んー、確かにちょっと喜ぶかも?」
「ほらー!あはは」
私は優花のことを尊敬してる。
優花はその明るさとノリの良さで、誰とでもすぐに仲良くなれる。
…私も優花ぐらい明るい子だったら、時山くんとも仲良くなれたのかな。