美琴ちゃん、大丈夫?
そして、内田の体を私の上から勢いよく引き摺り下ろすと、守るように私に覆い被った。


痛いのに耐えるためか、首筋に大量の冷や汗がつたっている。

相変わらず「フーッ、フーッ!」と息をして、懸命に肘をついた腕で体を支えてる。






時山君が、

必死に私を守ろうとしてくれてる。


痛い体に鞭打って、

懸命に守ろうとしてくれてる。


どうして?

もういいよ

もういい

あなたが苦しむ姿、もう見たくない…!






「…あー、もうめんどくさ。」


内田がゆら…と立ち上がった。



「分かったよ。殺してやるよ。」



そう言って時山君を引っ張り、そのままの勢いでドアの方に投げつけた。


ドアにぶつかって、時山君がまた痛みに顔を歪める。


「オラッ!!」


内田が思い切り蹴りを入れて、バットで時山君を何度も殴り始める。




「死ね!死ね!!」




時山君は応戦できるわけもなく、やられるばかり。






…なんで?



なんで時山君がこんな目にあわなきゃいけないの?


こんな最低な人たちに。



私は、見ているだけなんて




死ぬ気で守ろうとしてくれてる時山君を、
ただ見ているだけなんて








…ふざけるな。





ふざけるな…!!








こんなもの!!!!












「ウゥーーーーーーー!!!!!!」



私は内から込み上げる怒りに任せて、全身の力を振り絞った。
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